2009年2月10日 (火)

鉛筆の作り方・バラシカッター

別館で予告していた内容とは異なるのですが、2007年にエントリーした記事を補完する画像がありましたのでご紹介。

何についてかというと、芯を挟み込んだスラットから軸を切り出すカッターの形状についてです。
2007年7月に、2度にわたって、三角軸・四角軸の切り出し方について、書物と想像を駆使して考察していました。きっと、製造に携わる方から見たら噴飯物の内容だったと思います(^-^;)
Young Generationシリーズ No.3161(2)~四角軸の取り方・さらに追記/コーリン鉛筆(COLLEEN)
当時はこんな風なカッターを想像したり、どらさんの指摘をいただいて下のように想像を変えてみたりしてたのですが…
Colleenpencilfun_137_9
Colleenpencilfun_137_10


































実際はこういったカッターが使われています。
上は六角軸の上面を切り出したところ。
Colleenpencilfun_00s_01






















カッターだけを取り出してみると…。(こちらは四角軸用カッターです)
Colleenpencilfun_00s_02



















分かるでしょうか?
カッターにはアールがついてます(という言い方でいいのかしら?)。アバウトに図解するとこうなります。
Colleenpencilfun_00s_03









カッターがぐるりんと動いて、スラットをばらしていくという。
Colleenpencilfun_00s_04





カッターというと、真っ直ぐなイメージがあったのですが、こんな風だったのですね。



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2008年6月 7日 (土)

鉛筆工房見学・鉛筆印刷版(2)

鉛筆工房見学・鉛筆印刷版(1)の続きです。


■2つの印刷方法
前回エントリーでも触れましたが、下塗りを済ませた鉛筆にイラストなどを印刷する方法には、2つの方法があるそうです。ひとつは、「ドライオフ印刷」。略して「印刷」。もう一つは、「フィルム転写」。略するときは「転写」となります。
2つの長所・短所を桐野鉛筆製作所の桐野さんに教えていただいたので、サンプルも交えつつご紹介。(サンプルはいずれも非コーリン鉛筆社製)
そういえばむか~し、チューインガムのおまけで、こすると紙や筆箱にキャラクター絵がくっつくシールがありましたねぇ。あれも転写ですよね。(と言えば、フィルム転写がイメージしやすいかな?)…調べると、今もあるそうです。


■ドライオフ印刷
(長所)
 ・大量生産が可能(3~5万本/日)※機械セットアップ済みにて
 ・低コスト
 ・小回りが利く
 ・1952年からの伝統があるためノウハウが確立されている
(短所)
 ・印刷色数に制限がある(下地の色を覗き、+特色5色まで)
  →機械参照
  ただし最近は転写に対抗するためCMYKを利用した
  カラー分解(網点利用)で多色表現化
 ↓平面的な絵柄になる(非網点の場合)
20080607_02

・・
■フィルム転写
(長所)
 ・印刷色数に制限がない
(短所)
 ・大量生産は不可能(1~1.5万本/日)※機械セットアップ済みにて
 ・高コスト(フィルムも高価)、立会費もかかる(≠関東)
 ・小回りが利かない
 ・1995年からと歴史が浅く発展途上
 ↓網目が分かりますか?立体的な絵柄になります
20080607_03


二つを並べて見比べると、さらに違いが際立ちます。ぜひ画像をクリックして、大きなもので見比べてください。
20080607_04



これまでコーリン鉛筆を収集する際にもキャラクターものは避けていたのですが、桐野鉛筆製作所さんでお話を伺い、2つの印刷方法のことを知ってからは、これらキャラクターものにこそ鉛筆技術が詰まっていることに気がつきまして。鉛筆売り場で、軸をしげしげと眺め、時にニヤニヤする、怪しげな人になってしまいました(笑)。

さて、前振りが長くなってしまいましたが、次回ではいよいよ印刷製版の実際の工程についてのお話になります。お楽しみに!がんばれ、私!





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2008年5月25日 (日)

鉛筆工房見学・鉛筆印刷版(1)

鉛筆好き、そしてコーリン鉛筆偏愛のKero556としては、鉛筆ができるまでの工程を知らずにはいられません。木下綾乃さんのご著書『文房具さんぽ(2007.10.25初版第一刷発行)』P.26~31に北星鉛筆さん工場見学記が掲載されていますが、鉛筆好き・見学好きは私だって負けてられません!(笑)。なんたって、2007年3月には篠崎鉛筆製作所さんに押しかけて、あれこれお話伺いましたしね。でも、これだけじゃないのです、実は…。昨年10月には、下塗り・印刷の前行程である、「印刷版」を制作されている工房さんにもお邪魔したのです。エントリーまでに時間がかかってしまいましたが、鉛筆の印刷についてお伺いしたことを交えながら、版制作について何回かに分けてお話していこうと思います。

■今回見学を受け入れてくださった桐野鉛筆製作所さん
鉛筆好き、工場好き、機械好き(←いいですよねぇ、機械って…うっとり)の見学を受け入れてくださったのは、篠崎鉛筆さんと同じく、鉛筆の聖地・町屋でご商売をされている桐野鉛筆製作所さん。コーリン鉛筆が健在だったころには協力工場として、今だ根強い人気のNo.710などを手がけていらっしゃったそうです。今は鉛筆印刷のDTPを主な業務とされており、なんと日本で印刷される鉛筆の約6.5割を担当。ぶっちぎりで、シェア日本一という、鉛筆界にはなくてはならない方!
▼No.710
Colleenpencilfun_00n_1
余談ですが、桐野鉛筆さんの旧工場には、昔の機械類や鉛筆がまだ残っており、それはそれはもう私には夢のような空間でした。許されるなら、あの機械、持って帰りたかった…(無理だからw)。


■2つの印刷方法
下塗りを済ませた鉛筆にイラストなどを印刷する方法には、2つの方法があるそうです。
ひとつは、「ドライオフ印刷」。略して「印刷」とだけ呼ばれることもあるようです。篠崎鉛筆さんのところで見せていただいた方法です。詳しくはこちらをご覧ください。マニアックなエントリーがあります(笑)。
もう一つは、「フィルム転写」。略するときは「転写」ですね。

この2つの印刷方法の簡単な説明、メリット・デメリット、版の作り方の違いは次回以降!
(気を持たせてばかりですねー^^;)

それと。エントリーをお待たせしてしまったお詫びに(?)、近々企画の発表を致します。特に関西の方には、乞うご期待なのです!




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2008年4月 6日 (日)

リカちゃん鉛筆~フィルム転写印刷・修正追記あり/コーリン鉛筆(COLLEEN)

一見、平凡なキャラクターもの鉛筆。でも、コーリン鉛筆の歴史を知る上の資料となるのがこちらのリカちゃん鉛筆。
コーリン鉛筆 りかちゃん
コーリン鉛筆 りかちゃん 実はこれは自分のコレクションではなく、他の方から写真を頂いたもの(こちらでの紹介もご許可いただいています)。
これのどこが資料になり得るかというと…。


ポイントは2つ。

■1:製造されたのは平成9年9月コーリン自社工場である可能性大
品番のX09Iは、X=コーリン自社工場、09=この場合は平成9年、I=9月を表す(平成9年=20071997年)。で、この製造年月が問題

■2:フィルム転写という印刷技術を使っている模様

1についてはちょっと疑問なのです。というのも、コーリン鉛筆は20071997年3月に和議申請、同年5月に倒産していますので、普通に考えるとそれ以後の9月にコーリン自社工場からモノが出てくるというのはおかしいわけで…。普通だと私の品番解読に誤りがある、ということになります。
が、コーリンの場合、そうとも言い切れない部分がありまして。倒産後も、旧経営陣がしばらくの間少ない人数になってしまいながらも、どこかで工場を操業してたようなので。…1997年9月に発売された日経某誌のとあるコーナーに、当の旧経営者がそう語っている記事を見つけました。信じていいものかどうかあれなんですが…ごにょごにょ…。いつまで存続していたかは分かりませんけども、そこから出てきたのかなぁと。どうなんだろう。
まあ、そんなように、倒産時のあれこれをいやがおうにも考えさせる&文章の歯切れを思い切り悪くさせる罪な子なのですよ、この商品は(苦笑)。

で、肝心なのは2です。1995年ごろから鉛筆界で使われるようになった新手法、「フィルム転写」のハシリであったようなのです。リカちゃん部分を拡大するとよく分かります。
コーリン鉛筆 りかちゃん 画像をクリックして見てください。じ~っとみると…りかちゃんの背景部分や髪の毛、お肌あたりが、網目のようになっているのが分かるでしょうか?これがフィルム転写です。コーリン鉛筆も、きちんと当時の技術をキャッチアップしてた(当たり前か^^;)証拠になるかと思います。

…ええと、多分合ってる…ハズ。万が一認識違いがあったら、ご指摘くださいm(_゛_)m


フィルム転写が出てきたんで、次回は、もう一つの方法ともからめて、ちょいと鉛筆の印刷について書いてみます。




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本文とは少しずれてしまうのですが、コーリン鉛筆物を集めることについての、私にとっての意味をお話しますね。
時折、複数の方から、「そんな集めるばっかりしないで使ってあげなよ」と指摘を頂きます。モノが生まれてきた意味を考えると、使ってあげなきゃいけない。その通りなんです。なので、ご指摘頂く度にちょっぴり心が痛みます。ただ、私には、コーリンを知りたいという目的がありまして。…自分でも、えらい変わってるもの好きやなぁと思いますが(苦笑)。子供のころ、あの邪悪な三角顔にガツーンといわされたもんでどうにもこうにも…。だってすごいじゃん、あの顔。トラウマですよヽ(`Д´)ノ
それはともかく。
現存している企業ならいいのですが、既に倒産しており、また社史や製品史のような存在も確認できていません(後年のカタログ情報は手に入れましたが)。そうなると、効率が悪いのですが、数を集めて、そこからあれこれ推測していく、という方法を採るしかなく。今でこそ、コーリン鉛筆の元関係者の方々とコンタクトを取れるようになりましたが、その方々もすべての歴史を商品をご存知というわけではないので、やはり、手がかりになるのはモノです。というわけで、せっかく生まれてきたのに使ってあげれないのはしのびないのですが、たくさん集めていっているという訳。もちろん、全部を仕舞っているというのでもないです。使わなければそのモノの持つ特性を知ることはできませんから、複数集まれば、それはきちんと使います。複数を・現在進行形で、です。

そういうわけなんで、たくさん集めてても薄目&生ぬるい目で見守って下さい。わが家人よ!(笑) そして、変わった趣味でごめん、わが家人よ…。ほんとゴメン。えへ☆


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2008.04.29(火)追記
Kiripenさんからコメント欄でご指摘いただいていた、平成9年の西暦変換がおかしい個所を直しました。平成9年=1997年ですよね^^; 何を思って間違えたのか…もっとしっかりします(汗)。




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2007年7月 1日 (日)

Young Generationシリーズ No.3184(2)~三角軸の取り方/コーリン鉛筆(COLLEEN)

2007.07.05
5日ほど留守にするのでコメントへのお返事が遅くなるかもしれません。m(_゛_)m
エントリー更新は帰ってきてからとなります。
途中で短めの報告はするかもしれませんが…。 Kero556

Young Generationシリーズ No.3184/コーリン鉛筆(COLLEEN)の第二弾、スラットからの三角軸の取り方について考察してみることにします。

そもそもはこの本に載っていた、「効率的な三角軸の取り方」に疑問を感じたところから始まります。一度読んだときには「なるほど、そうだよな~。下のほうが廃材が出なくてお利口さんだよなぁ」と思ってたんですが…
コーリン鉛筆 No.3184
コーリン鉛筆 No.3184
よくよく図を見てみると、解説には「木のむだを防ぐ実用的な方法はどちらであるか明白である」と書かれていますが、ちょっと待って?ほんとにこんな方法で取れるわけ?だって、ほら、スラットの合わせ目を描き入れてみたら…芯の位置が変じゃないですか。と疑問爆発。
  ↓
コーリン鉛筆 No.3184
実際のところ、このコーリン鉛筆No.3184も、他メーカーの三角軸鉛筆も、本のいうところの上の方法でカットされている模様です。

▼コーリン鉛筆No.3184の断面
三角形の頂点から底辺真ん中に向かって、スラットの合わせ目があるのが見えるでしょうか?



コーリン鉛筆 No.3184
▼左:トンボかきかた鉛筆、右:Faber-Castell Art Grip Aquarelle
やはりこれも頂点から底辺中央に向かって木の合わせ目があります。
コーリン鉛筆 No.3184 

理論的にはヘンリー・ペテロスキーの言うように、Bの方法が効率的なんでしょうが、昔のコーリン鉛筆だけでなく、今まさに生産されている三角軸鉛筆すら"非効率的"な取り方をされているのには、きっと理由があるはず!

ということで、やっと本題(ここまでが長かった^^;;)。三角軸の取り方を考えてみます。例によって、あくまでもKero556の想像の世界ですので、間違ってるわよ!変だわ!正解はこうよ…うふふ、ってのがあれば、コメント欄かメールでご教授をm(_゛_)m


まず、本に記載されているA,Bのスラットの断面図を、実際の、木と木を貼り付け芯が入った状態の断面図にし、カットのラインを破線で入れてみます。
コーリン鉛筆 No.3184
この時点で、「Bは変だろう」と思われる方もいらっしゃるでしょう。とりあえず、先に進みます。

これをカッターで断裁します。カッターの形状は、全くの想像ですので、実際の形とは異なってる可能性大大です。あくまでもイメージ^^;
コーリン鉛筆 No.3184

右は切り離されたところ。(クリックして大きくしてご覧ください~)
コーリン鉛筆 No.3184
AはそのままでOKですが、Bは多分、切り離したままじゃつかえません。なぜなら、芯が、木の中心に位置していないから。このカットの仕方だと、上よりに芯がきちゃうんですよね。これでは鉛筆削りで削ったときに芯が折れちゃって使い物にならないハズ。てことで、芯を中心にもってくるように、さらにもう1工程が必要になってくるんじゃないかと思います。つまり、余分な下側をカットするという作業。これによって、芯が中心にきます。これでもBの方が廃材は圧倒的に少なくて済みますが、1工程増えるってのはいただけない!バラされた鉛筆に対して底をカットするという作業だから、繋がってるのをカットするよりさらに面倒!私ならやってらんない!

というようなことで、廃材を少なくするカット方法があるのは分かってるけど、余分な工程を嫌ってAの方法を各社採ってるんじゃないかと思うんですよね~。どうでしょうか?トンボさん、Faberさん。


▼ご参考まで
四角軸の取り方についての考察
廃材(おがくず)を利用した北星鉛筆のおがくず粘土「もくねんさん」
  ↑
廃材を資材として再利用した良商品だと思います。

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2007年5月21日 (月)

Young Generationシリーズ No.3161(2)~四角軸の取り方・さらに追記/コーリン鉛筆(COLLEEN)

さて、Young Generationシリーズ No.3161(1)の続きです。
コーリン鉛筆No.3161ととBOXY四角軸と比較しつつ、いかに木(スラット)から四角軸を切り出すのかを推測してみることにします。

まずは身近にあったBOXY四角軸と比べてみます。
若干、コーリンの方が太いのが分かるでしょうか?
コーリン鉛筆 No.3161



ここからが重要。次に頭部分のアップ。
(どっちも頭付けされてません)。
板(スラット)同士の合わせ目がどこにあるのか分かるでしょうか?いずれもインセンスシダーを使っているようなので木目の走る方向を良く見ると判別できるのですが…
コーリン鉛筆 No.3161写真だと見づらいので、判りやすいように補助線を入れてみました。
合せ方が違います。(追記:ピンクがスラットの合わせ目黄緑が木目の方向
コーリン鉛筆 No.3161 
ここから先はあくまでもKero556の想像の世界です。間違ってる可能性アリアリです、その旨ご了承の上、読み進めてください(根本の考え方は概ね合っているんじゃないかとは思ってます)。『ま~ったく違ってるよー!』という場合は、コメント欄やメールでどんどんご指摘を!お待ちしてマス。
コメント欄はこちらをクリック、そしてメールアドレスはこちら。kero556_556★yahoo.co.jp(★を@に変えてください)



さて。写真で見たあわせ方から、スラットの断面図を考えてみました。破線は断裁部分。(※イメージ図です。実際には何本採れるかシリマセン)
AはBOXY。コーリンはBになるはずですが、両者の太さの違いを考えると、多少大げさかもしれませんがCのようになります。同じスラット横幅では採れる本数が少なくなります。
コーリン鉛筆 No.3161
これだけでは、どう断裁するのかイメージしづらいので、さらに想像を膨らませて立体にしてカッターの形も考えてみました。それがこちら。
コーリン鉛筆 No.3161
BOXYは無駄なくカットできますが(全く廃材が出ないかどうかは定かではありません、ただコーリンのカットの仕方よりは遥かに効率的でしょう)、コーリンNo.3161は絶対に廃材が出てしまいます(上図だと黄色部分)。もったいない…。

全て上記は想像の世界でしかありませんが、大きく外れてはいないんじゃないかと思います。

コーリンNo.3161のような取り方だと、
 ・本数が少なくなる
 ・廃材が必ず出る
にも関わらず、どうしてこういう取り方をしたのか?
絶対に何か理由があるはずなのですが…。それが何かまでは考えが及びません。カッターのせいかなぁ?

むむむ…またしても謎が深まります。

わーん!気になって気持ちわるいー!

木工過程の工場さんに見学に行きたいデス。
それが無理なら、私のこの推測があってるかどうか添削して頂きたいデス。どなたかお詳しい方、ご指南を...。

Kero556こぼれ話:
自宅で使ってる端末にはイラレやフォトショは入れてません。何を使って描画・写真加工してるかと言うと…。図はエクセルの描画機能使ってます(笑)。すーーんごい面倒です。写真加工はPicasa2とi_view32。写真に矢印など入れるときは、やっぱりエクセルですw 何とかできるもんですねぇ^^;


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2007.05.23追記
朝っぱらから、文具王のBlogで5/17に紹介されていたヘンリー・ペトロスキー著「鉛筆と人間」を読んでいたら、三角軸の取り方の図解がありました! Colleenpencilfun_00g_1_1

Colleenpencilfun_00g_2三角軸(だけに限りませんが)の取り方については、p.227下段~p.230に書かれてあります。この図の上の取り方は、いかにも効率が悪いんですが、実際に使われてた方法のようです。機械の改良によって下のように取れるようになったとか。
四角軸の取り方を推測するのに、ヒントになりそうです。

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2007.05.24追記
05.22にどらさんから頂いたコメント、「...工場のラインを組み替える必要が無く、削る量を調整するだけで作れます。...」に刺激を得て、Aのカッターの形状を考え直してみました。こいう風にすると、多分機械は同じままで、刃を替えただけで対応可能。つまーり、刃の改良だけで済むってわけです。廃材は出るのは出ますがちょっとだけです。
Colleenpencilfun_137_10

前述の本、「鉛筆と人間」p.230の、三角軸の下に描いてある六角軸の取り方と比べても、同じニオイを感じるような…。Colleenpencilfun_137_11

描画するのに疲れてしまいました(笑)。次回エントリーはかる~く、さっくりといきますw

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2007年4月28日 (土)

鉛筆と色鉛筆と木について コーリン鉛筆No.789から考える

今日は商品ではなく材料の話を。
タイのコーリン鉛筆(COLLEEN)(3)の中で、コーリン鉛筆(タイ)No.798とFABER-CASTELLのART GRIP AQUARELLを削っていたときに「?」と疑問に感じてました。何をって?見てください、これこれ。

▼コーリン鉛筆No.798
※木の部分をたくさん見ていただくため、変な削り方になってます。ご容赦を^^;
Colleenpencilfun_00f_1▼ FABER-CASTELL ART GRIP AQUARELL
Colleenpencilfun_00f_2













注目して欲しいのは、木の材質。な~んか、孔みたいなのがポツポツと開いてるでしょ?(画像をクリックして大きくして見ていただくと、さらに分かりやすいです)。
鉛筆と言えば、こんな木が当たり前だと思ってました。
    ↓↓↓
▼MITSUBISHI ARTERASE COLOR
Colleenpencilfun_00f_3

こっちは、木目というか年輪がきれいに出てます。
両者は、見た目からして明らかに違うし、ナイフで削ったときの感触もな~~んとなく違うような気がするんですよね(←鉛筆は、基本、ナイフで削る派デス。削った感触は後述します)。

ということで、調べてみました!鉛筆の木。

■インセンスシダー
MITSUBISHI ARTERASE COLORに使われている木はすぐに分かりました。三菱鉛筆の鉛筆工場/鉛筆ができるまで、のページに書いてあります。
当社ではインセンスシダーという、めが細かく・ふしがなく・木目が真っ直ぐな木を使っています。カリフォルニア州のシエラ・ネバラ山中に育つヒノキの一種で、スラットと呼ばれる板に加工します。」とのこと。トンボ鉛筆の同様のコンテンツにも、同じようなことが書いてありました。手元にある限りの鉛筆・色鉛筆で確認したところ、主要な日本メーカーの鉛筆・色鉛筆はすべてインセンスシダーから作られているようです。
ちなみに、インセンスシダーの特徴が良く分かる商品と言えばこれですね、これ。木目が美しい。そして何よりいい匂い。さすがヒノキ!(の一種)。  ↓↓↓
▼SLIP-ONのボールペン そのものズバリです(笑)
Colleenpencilfun_00f_9







▼DERWENT Signature
Colleenpencilfun_00f_10











▼TOMBOW No.1500 頭部分だけでも分かります
Colleenpencilfun_00f_11

じゃあ、No.798やART GRIP AQUARELLの木は何よ?ということですが、インセンスシダーを調べているうちに行き着いた日本鉛筆工業協同組合のページにヒントが!

■ジェルトン
日本鉛筆工業協同組合のページ
…バスウッドは、ハルピン北部やシベリアに生育しており、伐採に関しては中国政府で制限している。現在、バスウッドがどのくらい生育しているのか、森林関係者により調査中であるが、インドネシアのジェルトンがいつなくなるか、わからないように、バスウッドも不明であるという。…
なるほどー。バスウッド、ジェルトンというのがインセンスシダーの他に、鉛筆として使われている木なわけですね。…この2つのうちのどれか、というのはあっさり解決。
はい、これ。
木材図鑑
Colleenpencilfun_00f_15













こっちのが分かりやすいかな?
木材辞典
Colleenpencilfun_00f_16

これらのサイトによると、ジェルトンとは、東南アジア産 ジエラ属(キョウチクトウ科)。ここからが重要です。「樹液孔を持ち材面に大きなレンズ状の孔が現れることがある」んだそうです。鉛筆を削ったときに現れた孔は、この樹液孔と考えて差し支えないでしょう。

ただ、これだけでは推測に過ぎません。やっぱり実物を見なきゃね…。ということで、取寄せてみました、ジェルトンを。わざわざ(笑)。バードカービングの材料にも使われているようで、意外とこちらは入手が容易でした。

▼ジェルトン材
Colleenpencilfun_00f_14
あるある!開いてますよ、孔!削ったNo.798やART GRIP AQUARELLと同じだー!
はい、決定!No.798やART GRIP AQUARELLに使われている木材はジェルトンと判断してOK!でしょう。ふ~。すっきり。

<おまけ>

■バスウッド
でもって、バスウッドは、多分コレじゃないかと思います。
友人が香港土産で買ってきてくれた、中国上海の鉛筆、No.6181。
Colleenpencilfun_00f_12


削ってみると…
Colleenpencilfun_00f_13
写真では少し分かり辛いかもしれないですが、インセンスシダーのように木目がなく、かといってジェルトンのように孔もない-いずれの特徴にも当てはまりません。かつ、バスウッドは中国で採れるようでして、この鉛筆は中国製。
ただ、これは、実物の木材が手に入らなかったので、確証はありません。あくまでも予想です…。
もし、木材に詳しい方がいらっしゃったら教えてください。これがバスウッドかどうか。
近在の材木屋さんに尋ねてみたんですが、「分からない」と言われてしまって…orz



さぁ、みなさん、手持ちの鉛筆をナイフで削って、何の木が使われてるか確認してみましょー!知ったところでどうってことは無いですが(笑)、さらに鉛筆が身近に感じられること、間違いなしです。
ちなみにナイフで削ってサクサクとストレスフリーで削れるのは、ジェルトンのほうです。インセンスシダーは、ちょっと硬い、かな?木目んところがたまーに引っかかるようにも感じます。

鉛筆と木については、さらに色々と調べていく予定。樹木鉛筆について、エントリーする際に、木についても何かしら書こうかなと思ってまして。地道に、色んな木材屋さんやハンズなどを回って、木材サンプルを集めてってマス。 我が家の一角は、まるで小さな木材屋さんと化しています(笑)。

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2007年4月15日 (日)

鉛筆工場見学~下塗り・印刷・木口切編(4)/コーリン鉛筆カタログ化計画番外編

Kero556の、突撃!えんぴつ工場レポート(突撃!となりの晩御飯風に)。下塗り印刷(前編後編)に続き、いよいよラストの木口切編。ちなみに木口切と書いて「こぐちぎり」と読みます。

■木口切(こぐちきり)
さて、こうして下塗りと印刷をした鉛筆は、その片方もしくは両方を1ミリ以下、0.数ミリ(!!)切り落とすという工程に進みます。下塗りなどの過程で断面部分に余計な塗料が附着したのを切り落とすことで綺麗にする工程です。海外製の鉛筆などは、「どうせ削って使うんだから切らなくてもいいだろう」といってこの過程を省くことも多いようです。それも一理ありますね。~ちなみに手元にあるART GRIP AQUARELLEは切り落としてません。この子は下塗りさえしてもらえておらず、結構大さっぱな作りです(゚д゚;)
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実際にこういう機械を使います。
黄色い○部分、回転する刃が鉛筆の端を切り落としています。
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切り落とした鉛筆の端を手に取っていただきました。ほんとに薄いです。かつお節
14

見学させていただいて感じたのですが、この3つの工程においてだけでも、ここでは書ききれないほどたくさんの細やかな工夫、気遣いが施されており、なるほど日本の鉛筆のクオリティの高さはこうした努力からくるのだなぁと。巷では欧州製の鉛筆がもてはやされていたりしますが(好きなんですけどね^^;)じっくりと日本製・欧州製を見比べてみると、劣らないばかりか、もっともっと丁寧にきちんと作られていることが分かると思います。実際に製作現場を拝見し、そのことは確信に変わりました。

さて、こうして丁寧に丁寧に、下塗り・印刷・木口切された鉛筆は、次の工程のため、他の鉛筆加工業の工場へと運ばれていきます。
次が見たくなったのは言うまでもありません(笑)。もちろん、この前段階も(笑)。

篠崎鉛筆製作所さん、私のようなただの鉛筆ミーハー(?)の訪問を快く受け入れてくださってありがとうございます。また、写真撮影・Blogへの記事掲載もご快諾いただき大変感謝しております。また機会がありましたらぜひお伺いさせてください。
※本記事の写真・文章は篠崎鉛筆製作所さんの許可を得て掲載しています。

他の工程も見てみたい!という方、こんな動画がありますので、よかったらぜひご覧ください。荒川区の鉛筆工場を取材したTV(かなにか)の動画です。
http://www.actv-avenue.com/vkouhou/bb_384kbps/018_bb.wmv
※音が出ますのでお気をつけください。

本日、アクセス10,000達成(゚д゚)ノウレシー
見に来てくださっている皆さんに感謝の気持ちを込めて、記念に何かしますねー。
次回エントリーをお待ちください...

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2007年4月12日 (木)

鉛筆工場見学~下塗り・印刷・木口切編(3)/コーリン鉛筆カタログ化計画番外編

Kero556の、突撃!えんぴつ工場レポート(突撃!となりの晩御飯風に)。下塗り印刷(前編)の続きです。

■印刷(後編)
印刷工程においては、もう一つ特筆すべき点があります。それはずばりインク。
印刷された鉛筆は、インクを「乾かす」のではなく「固め」ます。そう、固めるのです。
篠崎鉛筆さんでは、特殊なUVインクを使っていらっしゃいました。その名の通り、UV=紫外線で固まるインクです。紫外線ランプを何秒かあてると、あっ!という間にインクが固まって定着するのです。実際に見たら、感動すること間違いなし!
インクが固まるまでの時間が短くなると、それだけ短い時間で多くの鉛筆を作れますし、何より途中でインクがこすれちゃった!とか、埃がついちゃった!などのリスクにさらされる時間が短くて済む、というのも見逃せないメリットですよね。これを発明した人はエライです。(誰だろー?)。

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▲ベルトコンベアに乗って紫外線ランプを浴びる鉛筆

インクの話が出たのでもう一つ。
白く下塗りした鉛筆に印刷するのは、インクの色がほぼそのまま再現できるので良いのですが、問題は木地のままの鉛筆や金・銀を塗った鉛筆。これらに印刷をすると、元の色よりも随分明るい色になってしまうそうです。ですので、例えばクライアントさんから、「パントンの○○番でヨロシク」と言われても、そのままの色は使えないそう。印刷されたときに指定の色に限りなく近くなるよう、何トーンか濃い色のインクを配合して作られるんだそうです。実際に、木地に模様が印刷された鉛筆と、それに使ったインクを見せていただいたのですが、かなり色に違いがありました。大げさでなく、このくらい違います。
インクの配合は、これまたはやり職人の勘なんだそうです。すごいなぁ~。
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他にも印刷に関しては興味深いお話を、ここには書き切れないほどお伺いしました。残りは別の機会にポツポツとお話していきますね。

細々続けているこのBlog、お陰さまでアクセス10,000が近くなってまいりました。いつも見に来てくださっている皆さん、ありがとうございます。本当に励みになります。感謝感謝です。

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2007年4月 9日 (月)

鉛筆工場見学~下塗り・印刷・木口切編(2)/コーリン鉛筆カタログ化計画番外編

下塗りが終わったら今度はいよいよ印刷です。

■印刷(前編)
紙印刷をご存知の方には、ひじょ~~~~に興味深いんじゃないかと思います。年に数度しか印刷の仕事をしない私にとっても、大変興味深い工程でした(本業はムニャムニャ関係です。ムニャムニャって何だw)。まぁ、まずはこの機械を見てください。
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機械好きにはタマラン!最新の印刷機械を知ってる人にもある意味タマラン!な、鉛筆印刷用のオフセット印刷機械です。
ちなみにオフセットとは、オフ(間接的に)+セット(転写する)という意味合い。
ものすごく簡単に説明すると、こんな感じ。
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紙印刷の場合には版胴が平面であるのに対し(印刷しない部分に水を塗りインクを弾かせる方法を取ります)、篠崎鉛筆製作所さんでは版胴にいわゆる凸判を使われます。要するにハンコですね。大胆に図解するとこうです。↓
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でもって、一つの版に色んな色を乗せるのではなく、そこはCMYKに分解した版を作るので、その色毎の版ができるわけです。それで、こういう機械が出来上がるわけですねー。
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二色目部分を拡大しておきます。いやぁ、機械好きにはホントたまりません(実は私は工作機械好き)。ああ、かっこいい…(うっとり)。微妙にピントが手前に合ってしまってるのはご愛嬌です^^;
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実際に、ゴムブランケット胴と圧胴の間を鉛筆が通っていく場面も写真に収めました。分かるでしょうか?↓ちなみに写真の鉛筆は木目を生かした、とある有名商品です。
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印刷編はまだまだ続きます!











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