鉛筆と色鉛筆と木について コーリン鉛筆No.789から考える
今日は商品ではなく材料の話を。
タイのコーリン鉛筆(COLLEEN)(3)の中で、コーリン鉛筆(タイ)No.798とFABER-CASTELLのART GRIP AQUARELLを削っていたときに「?」と疑問に感じてました。何をって?見てください、これこれ。
▼コーリン鉛筆No.798
※木の部分をたくさん見ていただくため、変な削り方になってます。ご容赦を^^;
▼ FABER-CASTELL ART GRIP AQUARELL
注目して欲しいのは、木の材質。な~んか、孔みたいなのがポツポツと開いてるでしょ?(画像をクリックして大きくして見ていただくと、さらに分かりやすいです)。
鉛筆と言えば、こんな木が当たり前だと思ってました。
↓↓↓
▼MITSUBISHI ARTERASE COLOR
こっちは、木目というか年輪がきれいに出てます。
両者は、見た目からして明らかに違うし、ナイフで削ったときの感触もな~~んとなく違うような気がするんですよね(←鉛筆は、基本、ナイフで削る派デス。削った感触は後述します)。
ということで、調べてみました!鉛筆の木。
■インセンスシダー
MITSUBISHI ARTERASE COLORに使われている木はすぐに分かりました。三菱鉛筆の鉛筆工場/鉛筆ができるまで、のページに書いてあります。
「当社ではインセンスシダーという、めが細かく・ふしがなく・木目が真っ直ぐな木を使っています。カリフォルニア州のシエラ・ネバラ山中に育つヒノキの一種で、スラットと呼ばれる板に加工します。」とのこと。トンボ鉛筆の同様のコンテンツにも、同じようなことが書いてありました。手元にある限りの鉛筆・色鉛筆で確認したところ、主要な日本メーカーの鉛筆・色鉛筆はすべてインセンスシダーから作られているようです。
ちなみに、インセンスシダーの特徴が良く分かる商品と言えばこれですね、これ。木目が美しい。そして何よりいい匂い。さすがヒノキ!(の一種)。 ↓↓↓
▼SLIP-ONのボールペン そのものズバリです(笑)
▼DERWENT Signature
▼TOMBOW No.1500 頭部分だけでも分かります
じゃあ、No.798やART GRIP AQUARELLの木は何よ?ということですが、インセンスシダーを調べているうちに行き着いた日本鉛筆工業協同組合のページにヒントが!
■ジェルトン
日本鉛筆工業協同組合のページ
「…バスウッドは、ハルピン北部やシベリアに生育しており、伐採に関しては中国政府で制限している。現在、バスウッドがどのくらい生育しているのか、森林関係者により調査中であるが、インドネシアのジェルトンがいつなくなるか、わからないように、バスウッドも不明であるという。…」
なるほどー。バスウッド、ジェルトンというのがインセンスシダーの他に、鉛筆として使われている木なわけですね。…この2つのうちのどれか、というのはあっさり解決。
はい、これ。
▼木材図鑑
こっちのが分かりやすいかな?
▼木材辞典
これらのサイトによると、ジェルトンとは、東南アジア産 ジエラ属(キョウチクトウ科)。ここからが重要です。「樹液孔を持ち材面に大きなレンズ状の孔が現れることがある」んだそうです。鉛筆を削ったときに現れた孔は、この樹液孔と考えて差し支えないでしょう。
ただ、これだけでは推測に過ぎません。やっぱり実物を見なきゃね…。ということで、取寄せてみました、ジェルトンを。わざわざ(笑)。バードカービングの材料にも使われているようで、意外とこちらは入手が容易でした。
▼ジェルトン材
あるある!開いてますよ、孔!削ったNo.798やART GRIP AQUARELLと同じだー!
はい、決定!No.798やART GRIP AQUARELLに使われている木材はジェルトンと判断してOK!でしょう。ふ~。すっきり。
<おまけ>
■バスウッド
でもって、バスウッドは、多分コレじゃないかと思います。
友人が香港土産で買ってきてくれた、中国上海の鉛筆、No.6181。
削ってみると…
写真では少し分かり辛いかもしれないですが、インセンスシダーのように木目がなく、かといってジェルトンのように孔もない-いずれの特徴にも当てはまりません。かつ、バスウッドは中国で採れるようでして、この鉛筆は中国製。
ただ、これは、実物の木材が手に入らなかったので、確証はありません。あくまでも予想です…。
もし、木材に詳しい方がいらっしゃったら教えてください。これがバスウッドかどうか。
近在の材木屋さんに尋ねてみたんですが、「分からない」と言われてしまって…orz
さぁ、みなさん、手持ちの鉛筆をナイフで削って、何の木が使われてるか確認してみましょー!知ったところでどうってことは無いですが(笑)、さらに鉛筆が身近に感じられること、間違いなしです。
ちなみにナイフで削ってサクサクとストレスフリーで削れるのは、ジェルトンのほうです。インセンスシダーは、ちょっと硬い、かな?木目んところがたまーに引っかかるようにも感じます。
鉛筆と木については、さらに色々と調べていく予定。樹木鉛筆について、エントリーする際に、木についても何かしら書こうかなと思ってまして。地道に、色んな木材屋さんやハンズなどを回って、木材サンプルを集めてってマス。 我が家の一角は、まるで小さな木材屋さんと化しています(笑)。
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